胃もたれの原因
胃もたれの原因としては、暴飲暴食や消化の悪いものを食べることなどが多いですが、その他にもストレスや自律神経の乱れが原因の場合があります。また、ピロリ菌に感染していることで胃もたれの症状が起こる場合があります。
加齢が原因の場合
胃の中で食べ物が消化されるのに必要な時間は、一般的には約2〜3時間程度です。ただし、胃が機能低下を起こしてしまうと食べ物を消化することが難しくなってしまい、胃の中に長時間食べ物が溜まったままの状態になってしまうことで胃もたれが起こります。
食道から肛門まで食べ物を送る場合に、消化器官は蠕動運動を行います。しかし、加齢とともに食べ物を送る機能が低下し、胃に長時間食べ物が留まる場合があり、それによって胃もたれが引き起こされます。
生活習慣が原因の場合
加齢以外に、運動不足などでも蠕動運動の機能が衰えるため、適度な運動を行いましょう。
また、人は眠っている間には消化機能がゆっくりになります。
そのため、寝る直前に食べてしまうと、胃の中に長時間食物が残ってしまい、胃が荒れてしまう原因になります。就寝の数時間前に食事を摂ることを習慣化し、消化に良いものを食べることによって、慢性的な胃もたれを解消できるケースもあります。
ストレスが原因の場合
胃の働きをコントロールしているのは、自律神経です。そのため、自律神経がうまく機能しなくなってしまうと、胃の機能低下に繋がります。また、女性はホルモンの関係で胃もたれを起こす場合があるため、月経周期と胃もたれが起こる時期をメモして比較することで、ある程度症状が出やすい時期を推測することができるでしょう。
胃もたれが起きやすい時期になると、食事を少量にする、あるいは消化に良いものを中心に摂取することで改善できる場合もあります。
胃もたれが慢性化している場合の治療方法
問診では、どのような症状なのか、胃もたれのタイミングやどの程度の頻度で起こっているのか、既往症はあるのかどのようなお薬を服薬しているのかといったことを詳しくお聞きします。胃もたれの原因が、胃などの疾患でないことを検査する必要もあります。
胃もたれの場合は、他の疾患が原因となっていることもあるため、血液検査や胃カメラ検査、超音波検査などを行うことで原因を特定していきます。他の疾患がない場合は、生活習慣の改善を行い、特に食事に関して指導することで、症状の改善を図ります。
その他、胃の機能低下が問題である場合は、胃が食べ物を消化する働きを促すお薬を服用する場合もあり、ピロリ菌が原因の場合は除菌治療を行います。
ピロリ菌の除菌治療について
ピロリ菌に感染しているかどうかは、胃カメラ検査で組織片を採取し、病理検査に出すことで確定できます。一般的には、感染が確定したら胃酸の分泌を抑えるお薬と抗菌薬を7日間服用することで除菌が可能ですが、成功率は100%ではありません。
お薬を服用して6週間経った後にもう一度検査を受けてピロリ菌が除菌できているかどうかを調べる必要があります。もし感染状況が変わらないようなら、2回目の除菌治療が必要です。2回目ではほぼ除菌に成功するため、胃がんや胃潰瘍の予防のためにもきちんと治療を受けるようにしましょう。
食生活について
食事については、暴飲暴食を控えることは当然として、腹八分目にし、就寝直前ではなく数時間前には食事を終えるようにしましょう。脂っこいものや甘過ぎるもの、動物性脂肪の多く含まれているものなどは避け、香辛料の多用も止めておくことが望ましいです。ただし、食事制限をすることでストレスが溜まってしまうと良くないため、ほどほどを心掛けましょう。
食物繊維はほどほどが良く、少な過ぎても摂り過ぎてもげっぷやガスが多くなります。また、消化にも時間がかかるため、過剰な食物繊維の摂取は胃もたれを起こしやすくなってしまいます。
生活習慣について
食事に気を付けるだけでなく適度な運動が、胃の働きを良くします。激しい運動をする必要はなく、長めに散歩をする程度でも十分胃の働きを良くすることができます。3食の規則正しい食事と30分程度の食休み、適度な運動に加えて夜はしっかり睡眠をとることが重要です。
入浴時はシャワーだけでなくゆっくりと浴槽に浸かることで冷えを解消し、代謝や血流が良くなるため胃もたれの改善に役立ちます。
ストレスとの向き合い方について
ストレスはなるべく溜めないようにするのが理想であり、休日などは好きなことをして過ごすようにするなど、自分なりの解消法を見つけてみてください。ただし、ストレスが溜まっているからといって過度な飲酒や喫煙は良くないため、控えるようにしましょう。